安定感抜群のハードブーツ「Next 80」の使用感:高田健一

Trinityマウント搭載ハードブーツでフレーム周りは4×80という、安定感抜群スペックの「Next 80」
Skrapの高田が実際に履いていろいろ滑ってみたので、その使用感をまとめてレビュー記事にしました。
また、同ブーツの光が丘カップ2019で優勝した中野悠希さんのレビュー記事「様々なジャンルに対応したブーツ『Next80』の使用感」もありますので、ぜひ併せてお読みください。
なお、スペックの詳細は「初心者にオススメな『Next 80』を紹介!」をご覧ください。

商品

項目 概要 備考
商品名 Next 80 Trinity
メーカー Powerslide
型番 908224
参考価格 29,000円(税別)
総重量 1650g EU42-43片足

構成

パーツ ギア 重量 規格
ブーツ Next (EU42-43) 926g / 片足 Trinity
フレーム Elite Casted 4×80/243mm 192g / 片足 Trinity
ウィール Spinner 80mm/85A 97g / 個
ベアリング Wicked ABEC 9 10g / 個 608RZ

履き心地

ブーツのフレックスは、硬すぎず柔らかすぎず適度な硬さで、きちんと足首周りをサポートしてくれます。
カフが高めなので足首周りのサポート力が高いです。これは足首がぐらぐらしやすい初心者には頼りになるだけでなく、ジャンプの着地時などに足元が不安定になりやすい時に足が過度に倒れるのを防いでくれます。

インナーブーツが少し薄く感じますが、純正インナーブーツとしては可もなく不可もなく、といった品質でしょう。

かかとの収まりは良く、シューレースやバックルを少し緩めにして履いても、あまりかかと浮きしません。
僕の場合、シューレースをきつめに締めると、内側のくるぶしが少し当たる感じがしましたが、きつく締めすぎなければ大丈夫でした。

足幅が狭めで、土踏まず辺りが特にタイトです。
欧米人より幅広の日本人が足幅に合わせてサイズを選ぶと、つま先がけっこう余るかも知れません。
ただ、このブーツを履いて、ものすごく繊細な動きをすることはないと思うので、つま先が多少余っても問題ないと思います。
僕自身はきついサイズ感を嫌って、他のPowerslideのブーツより1サイズ上のものを選びましたが、特に不満もなく履いています。
履き込むことによってブーツ内が少し広がるようなので、ジャストサイズが好みでサイズを迷っている場合は、小さいサイズでも大丈夫かもしれません。

ブーツはそれほど重くない上に、カフが高めで足に触れている部分が多いので、履いてしまうと手で持つより重さを感じないと思います。

操作感

基本的にクセのない滑り心地で、ブーツの中でのかかとが浮きが抑えられているので、操作しやすいブーツです。
フレームを足裏の縦横どちらの中央にも取り付けられるので、フレームの真上に乗りやすく、滑りにくさを感じません。

ブーツ自体の剛性は十分あり、Trinityマウントのおかげで足を横方向に倒し込んでも、ブーツがよれるような感じもありません。
そのため、カーボンシェルのブーツのような鋭敏な感触はありませんが、レスポンスは悪くありません。

Trinityマウントのブーツなので、低重心で安定性が高く、内外のエッジに荷重した時に操作しやすいです。
言い換えると、Trinityマウントのおかげで、滑るための基本スケーティング技がしやすいです。
スラロームも基本技やトリックスラロームは問題なくできるだけでなく、低重心と強めのサポート力が初心者にはスラロームがやりやすく感じるかと思います。
重心が約1cm低くなる構造のため、70mmのウィールを付けているのとほぼ同じ重心になります。目下、フィットネス系やフリースケート系のブーツで、このNext 80と同等の低重心のブーツは他にないでしょう。
この低重心による安定感は安心感に直結し、初心者、上級者問わず、その恩恵を受けられる。おそらく上級者の方がこの低重心のすごさを実感できるはずです。

スピード

フレームの精度もベアリングの品質も良く、スピードが乗りやすいウィールが付いているので、80mmウィールのスピード感を十分に楽しめます。
ハードブーツという構造上、どうしても力の伝達にロスが生じやすいため、最高速がカーボンブーツより10%くらい遅く感じますが、タイムを競うのでなければ気にならないと思います。

カスタマイズ

フレーム、インナーブーツ、カフ、バンパー、バックル類など、全てのパーツが自分で取り外して交換可能。また、交換パーツは全てDeeportなどから取り寄せ可能です。

カフの高さを変えるカント調整も可能です。

締め具合によっては長すぎて邪魔になるカフの前部や、フレックス調整でシェルの一部を切り取る場合のために、カフとシェルのカットすべき箇所に目安線が入っていて、きれいに切りやすいようになっています。

インナーブーツがヒートモールド(熱成形)対応です。
ショップの専用オーブンだけでなく、自宅でドライヤーなどを使用して手軽に熱成形が可能です。

フレーム側でロッカリング設定にできないので、ロッカリングにしたい場合は、1輪目と4輪目に76mmのウィールを入れるなど、装着するウィールのサイズでする必要があります。

コスパ

約3万円という販売価格に対して性能と品質を考えた場合、かなりコスパの良いブーツだと思います。
同価格帯で、Next 80以上に低重心で安定感のあるブーツを見つけるのはかなり難しいでしょう。

その他

MYFIT 「Crown Dual Fit Liner」

純正インナーブーツと同じMyFitブランドから「Crown Dual Fit Liner」という、熱成形できる最高級のインナーブーツが発売されています。
ハイカフで安定感のあるNextブーツと、厚いパッドと補強パーツで抜群のサポート感のCrown Liner、この2つがかなり相性が良いのです!

高めのカフよりさらに高く、その飛び出ている部分にもしっかり補強パーツが付いているので、しっかり足を支えてくれます。
そして、かなり密着度の高いパッドが足を包んでいるので、足に掛かる負荷を分散したり軽減してくれます。多少足首を痛めていても、安心して滑ることができました。
僕はこのCrown LinerなしではもうNextを履きたくないくらい、気に入っています。

Nextが気に入ってさらにパワーアップさせたい、あるいは純正インナーブーツに不満がある人は、このCrown Linerに買い替えることをおすすめします。
国内では、Next 80を販売しているDeeportで取り扱っています。

写真1 「Crown Dual Fit Liner」(黒×赤)と純正インナーブーツ(黒)の比較

写真1「Crown Dual Fit Liner」(黒×赤)と純正インナーブーツ(黒)の比較

総評

個人的には、純正のインナーブーツが少し薄く感じる以外は、取り立てて欠点が見つからないブーツです。
そして、他のハードブーツにはない、Trinityマウントによる約1cmの低重心は本当に大きなメリットです。
シェルやカフにサポート力があるため、フレームとウィールを交換して、3×110や3×125などの大径3輪を楽しむのにも向いています。
細かいところでは、カフやバックルなどの全パーツが自分で簡単に交換できます。生産コストは高くなっても、ユーザーが長く履き続けられるというこの配慮は、3万前後の価格帯のブーツとしてはとても評価できる部分です。

カーボンブーツのような機敏なレスポンスは期待できませんが、どっしりとした安定感があり、それが楽ちんで、滑りやすさにも繋がっています。
こういった利点とコスパの良さはインラインスケート未経験の人が初めて買うブーツ、あるいは2足目に買い換える買うブーツとして、自信を持っておすすめできます!
さらには4×80フレームが好きな中級者や上級者にも、ダメージを気にせずガシガシ使える、汎用性の高いハードブーツだと思います!

参考

サイト ページ 説明
Powerslide Next 80 公式ページ
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