RBのハードブーツ上位機種「Twister Edge X」のスペックと使用感

Roolerblade社のハードブーツであるTwisterシリーズが昨年リニューアルして、 Twister Edgeシリーズ としてリリースされ、今年も継続販売されています。
その4×80モデルの上位機種「Twister Edge X」のスペックや使用感を紹介していきたいと思います。

商品

項目 概要 備考
商品名 Twister Edge X
メーカー Rollerblade
型番 07847400775
参考価格 40,000円(税別)
総重量 1695g 25.0cm

構成

パーツ ギア 重量 規格
ブーツ Twister Edge (25.0cm) 958g / 片足
フレーム 243 Frame 246g / 片足
ウィール Hydrogen 80mm/85A 100g / 個
ベアリング Twincam ILQ 9 Classic Plus 11g / 個 608Z

写真1 25.0cmのブーツ片足分の総重量:1695g

写真125.0cmのブーツ片足分の総重量:1695g

スペック

シェル&カフ / Twister Edge

フレックスはけっこう硬めで、フリースケート系ハードブーツの中では硬い部類に入る。
硬いけれど、カフのバックルをしっかり締めても、前に倒し込むことは可能。
フレーム取り付け部分には金属パーツが埋め込まれていて、ソールがねじれに強い構造になっている。また、加重した時に力が逃げず、ブーツを横に倒した時などの負荷に強い。
かかとのフレーム取り付け部分の上には衝撃吸収パーツが乗っている。

インナーブーツ / Premium First Fit V-Cut Liner

ふかふか感や抜群のフィット感はないけれど、薄くはなく、少し硬めのパッドで作らているがレスポンスの良さに貢献している。
インソールは厚さが4〜5mmで少し硬め。

写真2 ブーツのみ

写真2ブーツのみ

写真3 左:ブーツを下から 右:ブーツを上から

写真3左:ブーツを下から 右:ブーツを上から

フレーム / 243 Frame

フレーム長は243mm、最大ウィール径は80mmの押出成形の4輪アルミフレーム。
ブーツ取付け用の穴は横長になっていて、横方向に約2cmほど、フレームの位置調整が可能。

写真4 上:フレームを横から 中央:フレームを上から 下:フレームを下から

写真4上:フレームを横から 中央:フレームを上から 下:フレームを下から

ウィール / Hydrogen 80mm/85A

ブーツメーカーが作るウィールにありがちな粗悪感は皆無で、ウィール専門メーカーのものと互角かそれ以上に高品質な米国製ウィール。
転がり抵抗はほとんど感じずスピードに乗りやすいが、かなりグリップ感がある。

写真5 ウィール「Hydrogen 80mm/85A」

写真5ウィール「Hydrogen 80mm/85A」

ベアリング:Twincam ILQ 9 Classic Plus

Twincam社のインラインスケート用ベアリングの最上位モデル。一般的に販売されているブーツに組み込まれているベアリングの中では最上級。
回転性能は良く、耐久性もあり、洗浄して再使用できる。
片面シールドかつリテーナーが樹脂製なので、メンテナンスがしやすい。

写真6 ベアリング「Twincam ILQ 9 Classic Plus」

写真6ベアリング「Twincam ILQ 9 Classic Plus」

その他

黒のシューレースと、ヒールブレーキが付属。

レビュー

写真7 滑走中

写真7滑走中

履き心地

シェルやカフ、インナーブーツも硬めのため、全体的に硬い履き心地の印象。
硬いけれど、足首の可動域が制限されるような作りではなく、サポート力が強いといった感じ。
カフのバックルをきつめに締めても、足首を倒し込みにくくならない。

インナーブーツは、足の形に沿うようなフィット感はあまり感じられなく、パッドが硬め。
しかし薄くはないので、カフが当たって(刺さって)痛くなるというようなことはない。
かかと浮きを防ぐためか、かかとが狭くなっている。最初はきつく感じても、履き続けて足に馴染むと、窮屈感が軽減されてくる。

かかと浮きを抑えるためだと思われるが、シェルの甲の足首に近い部分が低く、さらに内側に少し張り出している構造(写真8の青丸内)になっている。
まずブーツを履く時に、その甲の部分が低いために足が入れづらい。
そして、その張り出ている部分がインナーブーツのタンの端と重なるため、初めて履く時は、タンの端が足の甲に当たってけっこう痛い。
ブーツが足になじんでくると甲の痛みが減っていき、長時間履いても痛くなくなってきた。
インソールを薄いもの(厚さ4mm以下)に替えると圧迫感が減り、痛みも軽減される。
痛みを回避するためにはジャストサイズではなく、1サイズ上げた方が無難。
街乗りやフリースケートでの使用なら、1サイズ上げても大きな問題にはならないはず。
しかし、スラロームで使用しようとする人にとっては、ジャストサイズで履けないのは、かなりのマイナスポイントになるだろう。
欧米人に比べて甲が高い人が多い日本人にとって、この甲部分の押さえつけが強いのがこのブーツの最大の欠点だと思うので、本当にもったいない。

写真8 シェルの甲部分の内側張り出し箇所

写真8シェルの甲部分の内側張り出し箇所

操作性

無駄な柔らかさがないインナーブーツ、フレームマウントに金属パーツが使用されて剛性高めの硬い素材でできているシェルやカフ、高品質なアルミフレーム。これらの相乗効果によって、ハードブーツとは思えないほどのレスポンスの良さや力の伝達のダイレクト感が得られる。
ブーツ全体のサポート力が高いので、ジャンプの着地などでも安心感がある。

シェルのソール部分が薄いわけではなく、インナーブーツの底も厚さ3mmくらいのフェルト素材が敷かれているにもかかわらず、足裏に路面の振動がけっこう伝わってくる。
見方を変えれば、それだけダイレクトにウィールへ力が伝えられているのだと思われる。

フレームは力の伝達も良く、ベアリングもスムーズに回転するため、滑走時のストレスはない。
フレーム側で左右に約2cmの位置調整ができるため、フレームの真上に乗りやすく、エッジ操作もしやすい。
ただし、23.0〜26.0cmのブーツだと、少し前側に1輪目が飛び出るようなフレームの取り付け位置になっている。そのため、つま先の1輪目だけで滑る技の操作が多少やりにくく感じるが、後ろ向きで滑る時につま先側にしっかり荷重できるので、転倒しづらい安定したバックスケーティングが可能になっている。

Hydrogenウィールのグリップ力がかなり強い。
そのため、ブーツを横に倒し込んでもすっぽ抜けるような感覚はなく、しっかりコントロールができる。

このブーツが想定されているフリースケートによる使用、つまりジャンプや階段下りなどを含めて自在に滑るにはサポート力も十分で、気持ち良く街中を駆け抜けられる。
フリースタイルスラローム(FSS)の細やかな動作はあまり向いていないと思うが、クロスやワンフットなどの基礎スラローム技や、飛燕や不知火などのトリックスラローム技には十分に対応できる。

スピード

「履き心地」の項目で述べた通り、ブーツは剛性が高くてレスポンスも良く、足首も曲げられるので、しっかり路面を蹴って加速できる。

フレームは削り出しではなくて押出成形だけれど、剛性も精度も良くて力が逃げないので、スピードの乗りは良い。

Hydrogenのウィールは、グリップ力があって転がり抵抗が低いので、しっかり路面を蹴って加速しやすい。

ベアリングの加速や速度維持の性能は大変良い。

コンマ何秒を競うとなると、カーボンブーツに軍配が上がると思うが、スピードを落とす原因になるような悪いパーツは使われていなく、足からウィールまでの力の伝達も良い作りになっている。
フリースケートやスラロームを楽しむ分には、加速も速度維持も十分すぎる性能を発揮してくれる。

カスタマイズ

赤のシューレースが嫌な場合は、同梱されている黒のシューレースに交換可能。

必要に応じて、同梱されているヒールブレーキを取り付けることが可能。

フレームの取り付け位置は、左右に約2cm調整可能。
ブーツの前後にあるフレームマウントの金属パーツには縦に穴が3つあるが、ネジが切ってあるのは真ん中の1つのみ。そのため、他の穴は使用できず、縦方向のフレーム位置調整はできない。

ウィールやベアリングはもちろん、フレームやカフ、バックル類なども全て六角レンチやプラスドライバーで取り外しや交換が可能。

カフ、バンパー、シューレースがセットになった「TWISTER EDGE CUSTOM KIT」というキットが3色展開で用意されていて、手軽にカラーチェンジができる。ただし、国内ショップでは販売されていない。

ブーツの剛性が高く、フレームマウント部分が金属製なので、フレームとウィールを3×110や3×125に換装しても、100mm以上の大径ウィールの滑りを楽しめる。

コスパ

通常価格は、税別で40,000円。
お得感を感じるような価格ではないが、スペックや性能と釣り合った妥当な価格だと思う。

総評

ポリゴンで描いたような直線的なデザインは好みが分かれるかもしれないが、バックルもTwister Edgeオリジナルのもので、他にはない攻めたデザインは好印象。

一方、性能は奇をてらうことなく、ひたすら操作性や加速性を高めたものになっている。
プラスティック製シェルとインナーブーツによるブーツ構成という制約の中、滑走性能を追求した印象で、足の動きに素早く忠実に反応してくれる。

個人的には気になったのは、シェルの甲部分が低くて足が痛くなったり、フレームがつま先側に1cmくらい飛び出ているこ2点。
甲の低さが問題となるのであれば、インラインスケート専門店で相談して、シェル出しをしてもらうなどの解決策を探ると良いだろう。
フレームの前付きに関しては、Rollerbladeのブーツでは良くあることで、慣れてしまえば通常の滑走では何の問題もないはず。

街中を駆け抜けるだけでなく、トリックスラロームを楽しむのであれば、初心者はもちろん、上級者も満足できるブーツ。
決して安くはなく、コスパに優れている訳でもないが、価格に見合ったスペックと性能は約束されている。
ハードブーツが好きでフリースケートやスラロームを楽しみたいのなら、しっかり足をサポートしてくれて気持ち良く滑れるこの「Twister Edge X」は、とても良い相棒になってくれるだろう。

ちなみに、インナーブーツとウィールとベアリングのランクが下がる「Twister Edge」が36,720円(税込)で販売されている。
廉価版の「Twister Edge」でも十分にこのブーツの良さを味わえると思うが、せっかくなら上位モデルの「Twister Edge X」で、ワンランク上の操作性とスピード感を楽しんで欲しい。

参考

サイト ページ 説明
Rollerblade TWISTER EDGE X – Rollerblade International 公式ページ