耐久性の高いアグレッシブブーツ「Seba CJ」:森滋

2013年に発売されたSeba Skates初となるアグレッシブ「Seba CJ」。
そのSeba CJを長年履き込んでいる森滋さんによるレビュー記事です。
国内での流通量が限られているため、使用感などの情報も少ない中、参考になるレビューだと思います。

商品

項目 概要
商品名 Seba CJ
メーカー Seba Skates
型番 SSK-CJ
参考価格 58,000円(税別)

履き心地

癖や痛みが出る人も不安がない、剛性が高い幅広のカーボンシェル。
ハードブーツと思わせるほど、シェルの剛性は高く感じた。
少しハイカット気味だけれど、履き心地はかなり良く、高評価を与えられる。

タン

甲から足首上まで厚めのクッションで、つま先と甲のホールド感は心地良い。
厚手のクッションの耐久性低下により、ホールド感が失われるのではないか、という不安があった。しかし、1年以上の使用でも問題のない耐久性があり、かなり評価できる。
2足目のSeba CJに乗り換えた時でも違和感を感じなかったのは、ブーツ自体がへたっていない証拠。

写真1 グレーの初代「Seba CJ」

写真1グレーの初代「Seba CJ」

シューレース

意外に使いづらい。
足首までシューレースを通す人は、緩めやすく締めやすい丸ひもに変えた方が良い。
タンにズレ防止の通し穴が欲しい。

前後傾

かかとにあまり厚くないショックアブソーバーが装備されている。そのショックアブソーバー分だけかかとが少し上がり、やや前傾となるが、フラットの場合の姿勢とほぼ変わらない。
フレームスペーサーでも調節可能。

カフの稼動性

カフボルトの位置が斜めのため、膝の上げ下げの動きとカフが連動している気がしない。
カフが前に倒れないため、稼動イメージより赤い部分(写真2)の固着感がある。
バックルとシューレースの締め付けでホールド感が相当変わる。他のブーツとの違いとして、カフの稼動性があり、ホールド感を強く感じる。
横の稼動性も無く、シッカリ前に倒して横曲げしないと、ロイヤルやトーク系のトリックは安定しない。
その分、ソール系のトリックは体勢維持がしやすく、安定感があり、グラインドの距離が伸びる。

写真2 左:カフボルトの位置と向き 右:固着感のある部分

写真2左:カフボルトの位置と向き 右:固着感のある部分

フレーム

他社のフレームと比べて、フレーム長は長めだが、操作性は悪くない。
グラインドが速く、剛性もあるので、スピードが乗りやすい。
アンチ幅の滑り心地も良い。
全体的に、とても良いフレーム。

写真3 ブーツの真下からと真上から

写真3ブーツの真下からと真上から

総評

ブーツの履き心地は良くて、1年経ってもへたることもなく、ブーツの耐久性はものすごく良い。
姿勢が前傾ではなく後傾気味となり、カフは稼動しない。
カフの横方向の硬さとタンの柔らかさの差が大きく、慣れが必要かもしれない。
意識して膝を使うようにする場合は、バックルは緩めでシューレースはきつめに締めるのが良い。
足首を曲げた時のブーツの反発が、少し物足りない。

トップ系やソール系のトリックは、かかとのホールド感が良いため最高の伸びと安定感がある。しかしトップ系は、技を入れる前の滞空時に足首が曲がっている気がしないので、慣れないとメイク率が下がる。
膝を使える中級者以上や、トップ系の上乗せができる方には良いブーツだと思う。