デュアルスラロームレースへの準備 / インラインスケート フェスティバル 光が丘 2017

インラインスケートの最盛期を10年ほど過ぎ、今はポンコツな体と折り合いをつけながら中年の最盛期を迎えている。そんな筆者が、自分史上最高のブーツを相棒にしたら現役バリバリの若者にどこまで通用するのか、いざ挑戦!

事の発端

前回、光が丘フェスティバルのデュアルスラロームレース(スラロームのスピード競技)に、SEBAの3×110フレームをブーツに付けて出場。その時の思わぬ好タイムに自分自身でかなり驚いた。
今回(2017年)は大径ウィールでも取り回しやすいブーツ構造 (Trinity) であるPowerslideTAUを履いて計測したら、予想通りなかなかいいタイム。
『このブーツをデュアルレースに最適化した自分仕様にして滑ったら、41歳でもちょっといい成績を残せちゃうかも!?』
と妄想をし始めたら止まらず、どこまで通用するか試してみたくなり、シニアクラスではなくオープンクラスで出場することにした。
目標は、オープンクラス予選3位以内で準優勝! 優勝と言わないのは、光が丘の圭人君には絶対に勝てないのが分かっているから……。

詳しくはインラインスケート フェスティバル 光が丘のサイトをご覧いただくとして、簡単にデュアルスラロームレース競技を説明する。

助走10mの後にパイロンが1.5m間隔で15個並んでいる直線コースを競う。
タイム計測による上位が8名がトーナメント戦を行う。
決勝トーナメントは2人で競い、着順とパイロンキックから算出されるポイントが高い方が勝ち。

一言で表すと「スラロームの速い人が勝ち」という単純明快な競技だが、予選と決勝トーナメントは勝利条件が異なるので戦略も異なる。

まずはフレーム選び

ブーツは決まっているので、最初に取り掛かるのはフレームの選択。
昨年はSEBA Trix + 310 Frames (3×110/248mm) + 105/110/110mmのロッカリングにしたブーツで出場した。このセッティングだと10mのスタートダッシュは遅いものの、パイロン間で漕ぐとどんどん加速し、結果的に速いタイムを出せた。

今年はTAUに取り付けるフレームとして昨年同様の3×110に加え、3×100も選択肢にあった。そこで、2輪目と3輪目のシャフトを2mm下げたロッカリング(バナナロッカリング)で、滑り比べてみることにした。
比較するのは次の2つのフレーム。

  • Trinity Pro Rocker(現Katana) 3×110/243mm
  • Trinity Pro Rocker(現Katana) 3×100/231mm

Trinity Pro Rocker 3×110/243mmはSEBAのブーツより車高が低くなっているとは言え、スタートダッシュの動きにもったりとした重さが残っていて、加速性があまり良くなかった。ただこれは僕の場合であって、もっと脚力がある人であれば3×110でも十分に使いこなせるはず。

Trinity Pro Rocker 3×100/231mmは、Powerslide傘下のReignがスピードと機動性が求められるホッケーブーツに搭載させているだけあって、最初のスタートダッシュでもパイロン間の小回りでも取り回しづらさを感じなかった。単純な動きだけをする場合、今まで使っていたスラローム用フレームの4×80/243mmと同じ感覚で滑ることができた。

もちろん僕が選んだのは、無理なく扱える後者の3×100フレーム。言い換えると、「40歳を過ぎたおじさんの脚に優しい方を選んだ」という訳だ(笑)

いちばん悩ましいのはウィール

フレームが決まったら、次はウィールの選択。
3×100フレームにはUndercover(以下UC)のMushroom Blading 100mm (88A)を付けて滑っていて、そのまま3回くらい光が丘で練習した。ところがスタートダッシュで少しスリップすることがあった。オープンクラスに挑戦するからにはできる限り失敗のリスクを減らしたく、もう少しグリップ感が強いウィール欲しい。では何を選ぶ?

3×110や3×100の登場以前の4輪フレームなら、HyperMatter(現UC)から好みのウィールを選んでいれば問題なかった。ところが、直径100mmのウィールとなると事情が変わってくる。選択の幅が一気に増えるのだ。スラロームやフリースケートも含めたフィットネス系のウィールはもちろん、スピードスケート用ウィールもたくさんあるし、ホッケーウィールブランドのPrimeからもアウトドアホッケー用の100mmが販売されている。こうなってくると、4輪の72〜80mmウィールより選択肢が多くなる。
そこで自分の好みや経験、トップレベルのスケーターが教えてくれた情報などを元に、各ジャンルから信頼できるウィールをピックアップして表にまとめてみると……。

ジャンル メーカー 特徴 結果
フィットネス UC 倒しすぎると少し抜けやすい。 ×
スピード MPC Black Magicは世界中のスピードスケーターが支持。
ホッケー Prime 品質や性能が不明。注文後、いつ届くか不明。 ×

……という訳で、あっという間に1つに絞れてしまった(笑)

あとは硬度、ウィールのグリップ感だ。これは完全に自分の感覚とマッチするかどうかが問題で、メーカーの数値や人の話はあまり参考にならない。自分が今まで使ったことがあるのはBlack Magicとほぼ同品質のRed Magicの110mm/X-Firmのみで、これは昨年のデュアルレースで使用してかなり調子が良かった。でもグリップ感を重視するのなら、X-Firmより柔らかいFirmも試してみたいという気持ちもある。

ここで問題になってくるのは、お金。実は、新しいウィールを買うかどうするか2週間悩みに悩んで、でも本気で挑戦するにはBlack Magicが必須だと決断。そこで急いで手元のギアをいくつか手放すなどの資金調達をして、どうにか新しいウィール6個を購入した。当然、異なる硬度のウィールを揃える余裕などなく……(涙)
そうして大会の前週に届いたのは、MPCBlack Magic 100mm/X-Firmと、超手堅いものに。

そして入手直後の週末に、この新しいウィールをつけて光が丘で滑ってみた。昨年のRed Magicと同様にしっかり路面に噛んでくれて、若干スリップしやすい光が丘の路面との相性は抜群! ダッシュ時に失敗してウィールを少し倒し込みすぎても抜けるようなことはなかった。これでタイムロスが最小限で済む。パイロン間でもしっかり蹴ることができて加速するし、スピードの乗りもいい。
まあ、世界トップレベルのスピードスケーターたちが使っているのだから、僕なんかが不満に思うようなことは何もなくて当然なんだけど。

ベアリングは選択肢なし

速さの鍵となるベアリングはBones Swissにした。
本当はWITCHの状態がいいものがあれば良かったのだけれど、メンテナンスをしている時間もお金もない。ただ新品ではないけれど、ダメージが少ないオーバーホール済みのBones Swissがあるので、これを使うことにした。仕上げオイルは、もちろんWITCHSpeed Oil
これでギュンギュン回ってくれるはず!

自己最速タイムとの差は0秒08

ギアは可能な限り最高のものが揃った。残るは僕自身の脚。
昨年はほぼぶっつけ本番だったけれど、今年は9月から毎週1回は光が丘に行って練習していた。と言っても、子供の付き添いがメインなので、僕が自分のデュアルレース練習ができるのは1日5本程度。多い時でも10本くらい。僕の場合、パイロンに入るまでのスタートダッシュ10mがタイムの良し悪しが決まる。成功させるためには1個目のパイロンに入るまでの7歩を何度も何度も練習して、腰の高さや足運びのベストな状態を体に覚え込ませたい。でも子供を放置する訳にはいかないので、集中して5本だけ練習するのだ。
それでも9月からの練習で5秒04を2回出していて、自己最速タイムの4秒96にかなり近付いている。昨年の予選タイム5秒18を超えるのは難しくはないけれど、予選ベスト3は5秒を切っているので、できればそこに食い込みたい。スタートダッシュが決まれば4秒台も不可能ではないと思うけど……。
ちなみに、今年出した5秒04は2回ともその日の練習でミスがなかった1本目。練習すればするほど足が上がらなくなって遅くなるのは、中年男子の悲しき宿命か……。
何はともあれ、ギアは昨年より格段に自分との相性がいいものになっているので、これでどこまで現役バリバリの20代男子たちと張り合えるかが楽しみ!

ということで、レース当日の話は近日中にアップします!

最終セットアップ

ギア 製品(メーカー)
ブーツ Tau (Powerslide)
フレーム Trinity Pro Rocker 3x110mm (Powerslide)
ウィール Black Magic 100mm/X-Firm (MPC)
ベアリング Bones Swiss (Bones)
ヒールストラップ Powerdisc 45 (Powerslide)
インソール Carbon (Superfeet)